「こと」「なか」れ主義をなくす
図書館の返却日が迫って、あわててパラ見した本がある。
タイトルに引き寄せられ借りていた本。
「文章は読むだけで上手くなる」渋谷和宏著
著者は、ビジネス誌創刊編集長も勤められたが、
―僕は原稿を書けない記者だった。
そうです。悪戦苦闘と試行錯誤を繰り返して
生み出されたセオリーで綴られる。
パッと見には論理的な文章を
読み込むことはできなかったけど、
サラッと読めたところで気に入ったフレーズが2つ。
そのうちの1つがこの見出し名だ。
ファジーなので、言葉に詰まったとき
つい便利で使ってしまう自分に思い当る。
「~こと」を使わずに済んでいる文章を
見かけるのが難しいほど多用している。
ちなみに「~なか」の例えでは、
A.トラブルの原因が明らかになっていく”なか”で、
彼の対応が問題になった。
↓
B.トラブルの原因が明らかになっていく”過程”で、
”こと”や”なか”を一歩踏み込むことで
具体的でわかりやすくなるばかりでなく、
考えることが必要になるので
ボキャブラリーや表現力も増える。
なるほど、日頃の1文章を日頃から
こだわっていれば、自然と文章もうまくなれそうだ。
また、
「こと」「なか」を除外するだけで
文章偏差値が20は上がる
とあり、がぜん、ことなかれ主義からの脱却を目指そうと思った。
もう一つは、
日頃からかくありたいという考え方を上手に言い表してくれた。
―文章は読者へのプレゼントだと考えよう
というくだり。
この本のエキスを見逃してしまっている感もなくはないが、
ことなかれ主義の脱却を知っただけでも、
この本を手にした甲斐は充分あった。